パソコンの前で、マウスを動かす手が止まりました。
画面に映っていたのは、見慣れすぎた我が家のベランダ。洗濯物が干してある。子どもの三輪車が玄関先に転がってる。
「あ、これ……まずいかも」
そう思った瞬間、背中にじわっと汗をかいたのを覚えています。
お客さんがこの画面を見たら、どう思うんだろう。
もっと言えば、「変な人」が見たら?
フリーランスを始めたときは、何も考えていなかった
フリーライターとして独立したのは、今から3年ほど前です。
当時は通販会社で管理責任者をしていて、「いつかは自分でも」という思いを温めていました。会社を辞めて、まずは自宅で小さなハンドメイドショップをスタート。
BASEでネットショップを作ったときのこと。
「特定商取引法に基づく表記」の入力欄に、何の躊躇もなく自宅の住所を入れました。
だって、そうしないといけないんでしょ?
開業届も、自宅住所で出しました。
「みんなそうしてるし、大丈夫だよね」
今思えば、完全に油断していました。
ある日届いた、差出人不明の手紙
ショップが少しずつ売れ始めた頃です。
ポストを開けたら、見覚えのない封筒が入っていました。差出人の欄は空白。
嫌な予感がしました。
封を開けると、私のショップの商品写真がプリントアウトされていて、その下に手書きで。
「いつも見てます。すぐ近くに住んでるんですね」
手が震えました。
誰が、なぜ。
ていうか、どうやって私の住所を…?
あ。
特商法の表記。
公開してた。完全に。誰でも見られる形で。
その日から、玄関を開けるのが怖くなった
それからというもの、ドアを開けるたびに周りを確認するようになりました。
知らない車が家の前に停まっているだけで、心臓がバクバクする。
夜、カーテンの隙間から誰かが覗いてないか気になって眠れない日もありました。
神経質になりすぎてるのかな。
でも、怖いものは怖い。
夫の一言が、一番辛かった
そんな状態を見ていた夫が、ある夜言いました。
「なぁ、そのネットショップ、もうやめたら? 子どももいるのに、何かあったらどうするんだ」
ぐさっと来ました。
悔しかったです。せっかく軌道に乗り始めてたのに。
でも、反論できませんでした。
だって、夫の言うことは正しいから。
私の「やりたいこと」のせいで、家族が危険な目に遭うなんて、あってはならない。
「どうすればいいの…」
パソコンの前で、一人で泣いたこともありました。
正直、その時は「もう辞めるしかないのかな」って思ってました。
バーチャルオフィス、っていう選択肢があるらしい
そんなときです。
同じくフリーランスをしている友人に、思い切って相談しました。
「実はさ、自宅住所を公開してて、ちょっと怖い目に遭っちゃって…」
すると彼女、意外そうな顔をして。
「え、まだ自宅でやってるの? 私、とっくにバーチャルオフィス借りてるよ」
…バーチャルオフィス?
初めて聞く言葉でした。
友人によると、実際にオフィスを借りなくても「住所だけ」を借りられるサービスがあるらしい。
「月1,000円くらいから借りられるよ。自宅バレしたくない女性フリーランスは、みんな使ってる」
え、そんなのあるの。
知らなかった。
その日の夜、すぐにスマホで「バーチャルオフィス 女性」って検索しました。
で、どれを選べばいいの…?(ここで迷った)
検索すると、たくさん出てきました。
月額500円のサービスもあれば、3,000円のもある。
銀座や青山の住所が使えるとか、郵便物を週1回転送してくれるとか、電話番号が付いてくるとか。
「…で、結局どれがいいわけ?」
料金も、サービス内容も、バラバラすぎて。
正直、どれを選べば私のような「自宅バレを防ぎたいだけの個人事業主」に合ってるのか、さっぱりわかりませんでした。
口コミサイトを見ても、「法人登記におすすめ」とか「起業家向け」とか、なんか私とは違う世界の話みたいで。
「私みたいな小規模な人でも使っていいの…?」
そんな風に、変に遠慮してました。
私が一番重視したのは、「安全」だった
料金の安さも気になりましたが。
でも、考えれば考えるほど、私が一番怖かったのは「また怖い思いをすること」でした。
具体的には:
- 返品商品がバーチャルオフィスに届いたとき、ちゃんと転送してくれるの?
- 詐欺業者とかも同じ住所使ってたりしないよね…?
- ファンレターにGPS発信機が仕込まれてる事件があるって友達が言ってたけど、そういうのは…?
こういう不安を、一つずつ潰していきたかった。
私の場合は、ですけど。
「便利そう」とか「安そう」よりも、「これなら眠れるかどうか」。
バーチャルオフィスを選ぶ基準が、いつの間にかそうなっていたんです。
最終的に選んだのは、NAWABARI(でも迷った)
結論から言うと、私はNAWABARI(ナワバリ)というサービスを選びました。
正直に言うと、最初は「そこまで必要?」って思いました。
だって、「郵便物のGPS・盗聴器チェックサービス」って。
そんなの、映画の世界じゃないの?
料金も他より少し高いし、正直迷いました。
でも、夜中に一人でスマホを見ているときに、インフルエンサーがファンからの荷物に追跡装置を仕込まれた事件の記事を読んでしまって。
「もし私も…」って考え始めたら、もうダメで。
結局、安心を買いました。
月額1,100円。
これで夜眠れるなら、安いもんだと思いました。
使ってみて、どうだったか
申し込んでから、3ヶ月が経ちました。
すぐに売上が跳ねた、というわけではありません。
でも、不思議と「引け目」はなくなりました。
その変化に、自分が一番驚いています。
① 夜、ぐっすり眠れるようになった
これが一番大きかったかもしれません。
以前は、玄関の外で物音がするたびに飛び起きていました。
宅配便のチャイムでさえ、一瞬身構えてしまう自分がいました。
でも今は、郵便物も問い合わせも、全部バーチャルオフィス宛て。
自宅に仕事関係の人が来ることは、物理的に不可能になった。
「あ、もう大丈夫なんだ」
そう思えた瞬間、肩の力が抜けた感じがしました。
② 夫の態度が変わった
「住所を外に借りたから、もう家には誰も来ないよ」
そう報告したとき、夫の顔が少し柔らかくなりました。
「そっか。それなら、安心だな」
それから、夫は私の仕事の話を聞いてくれるようになりました。
売上が伸びたときには「すごいじゃん」って褒めてくれるし、新商品のアイデアを相談すると真剣に考えてくれる。
ぶっちゃけ、バーチャルオフィスは夫婦関係も守ってくれました。
③ 名刺を渡すとき、堂々としていられる
これは完全に気持ちの問題なんですけど。
以前は、どこか後ろめたさがありました。
「自宅でコソコソやってる、趣味の延長」
自分で自分をそう思ってた部分があったんです。
でも、ちゃんとした住所があって、郵便物が届く場所があって、銀行口座も開設できて。
そうしたら、「私はプロなんだ」って、少しだけ思えるようになりました。
名刺を渡すときも、胸を張れる。
それだけで、営業トークにも(ほんの少しだけど)自信が出ました。
他にも、こんなサービスがあります(タイプ別)
正直、全部を細かく比較するのは大変だったので、
私なりに「これなら合いそうかな」という視点で分けてみました。
① 身バレが本気で怖い人
→ NAWABARI
私と同じタイプの人には、これが一番合うと思います。
- GPS・盗聴器チェックがある(これが決め手でした)
- プライバシーマーク取得
- YouTuber、ライバー御用達
- 月額1,100円〜
② コストを抑えたいけど、サポートも欲しい人
→ レゾナンス
- 月額990円〜なのに、スタッフが常駐してる
- 郵便物の受け取りで無人のビルに入る怖さがない
- 銀行口座開設のサポートが手厚い
「誰かいてくれる」って、結構安心だと思います。
③ とにかく最安値で始めたい人
→ 和文化推進協会
- 月額約550円(年払い)
- 固定電話番号が無料で付いてくる
- 住所は京都
「まずはコスト最小限で試したい」ハンドメイド作家さん向け。
④ すぐに銀行口座を作りたい人
→ GMOオフィスサポート
- GMOあおぞらネット銀行と連携
- 申し込みと同時に法人口座開設ができる
- 月額660円〜
ネットショップと銀行口座を同時に進めたい人には、このスピード感が助かるかも。
⑤ 地方在住で、地元の住所がほしい人
→ Karigo
- 全国60拠点以上
- 札幌から沖縄まで
実は、地方で活動する人にとって「地元の住所」って結構大事だったりします。
よくある質問(私も最初は同じこと思ってました)
Q. バーチャルオフィスって、怪しくない?
これ、私も最初に思いました。
「実体のない住所なんて、詐欺っぽい…」
でも、調べてみたら、意外と普通に使われてるサービスでした。
大事なのは、ちゃんとした事業者を選ぶこと。
プライバシーマークとかISMS認証とか、そういうのを取ってるところなら、まぁ大丈夫かなと。
Q. 郵便物の転送って、面倒じゃない?
これは、事業者によります。
私が使ってるNAWABARIは週1回転送なので、そんなに手間じゃないです。
レゾナンスは月1回プランもあるみたい。
自分がどれくらい郵便物届くかで、選べばいいと思います。
Q. 返品の対応はどうすればいい?
これ、めちゃくちゃ気になりますよね。
私も最初は「返品先をバーチャルオフィスにして大丈夫?」って、正直かなり不安でした。
実際にやってみた感想としては、条件を満たしていれば特に問題はありませんでした。
それどころか、クレーム対応中のお客様に自宅住所を伝えるほうが、私はずっと怖いな…と感じています。
バーチャルオフィスを返品先にして、
そこから自宅に転送してもらう形にすると、
お客様と物理的な距離をきちんと保つことができます。
ちなみに、これは私のやり方なんですが、
転送をお願いするときに「そのまま転送」ではなく、
一度オフィスで保管してもらい、外装(宛名や箱の状態)の写真を確認してから
転送依頼を出すことがあります。
箱の状態が明らかにおかしかったり、
「ちょっと怪しいかも?」と感じた場合は、
自宅に転送せず、いったん保管状態で止めておけるので、
気持ち的にかなり楽です。
こういった対応ができるのは、
スタッフ常駐型のバーチャルオフィス(NAWABARIやレゾナンスなど)の強みだと思っています。
※当たり前ですが、返品条件(期限や送料負担など)は、
購入前にお客様が分かる形で書いておくのが基本です。
これは自宅でもバーチャルオフィスでも同じですね。
まだ迷ってる、あなたへ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
でも、もしかしたらこう思ってませんか?
「バーチャルオフィス、良さそうだけど…まぁ、今すぐじゃなくてもいいか」
わかります。
私も、あの手紙が届くまでは、そう思ってました。
でも、何か起きてからでは遅いんです。
自宅住所がネット上に残ってしまったら、完全には消せません。
一度「デジタルタトゥー」になった情報は、削除依頼しても消えないケースが多いです。
今日から、これだけでもやってみてください
もし、まだ決心がつかないなら。
これだけでもやってみてください:
1. 自分の自宅住所をGoogleストリートビューで検索してみる
そこに何が映ってますか?
洗濯物? 子どもの遊具? 表札?
その「生活感」が、不特定多数に見られてること。
実感してみてください。
2. 特商法表記を確認する
あなたのネットショップやサイトに、自宅住所が書かれてませんか?
3. 無料の資料請求をしてみる
NAWABARIもレゾナンスも、資料請求は無料です。
「契約しなきゃ」なんて思わなくていい。
「こういう選択肢もあるんだ」って知るだけでも、少し心が軽くなると思います。
最後に
私がバーチャルオフィスを借りてから、変わったことがあります。
それは、「罪悪感」がなくなったこと。
以前は、自分のやりたいことと家族の安全を天秤にかけて、いつも心が引き裂かれていました。
「私がビジネスをしているせいで、家族が危険に晒されてるんじゃないか」
でも、バーチャルオフィスという選択をしたことで、その天秤から解放されました。
家族を守りながら、自分の夢も諦めなくていい。
それを実現してくれたのが、月額1,000円ちょっとのバーチャルオフィスでした。
もしあなたが今、私と同じように「自宅住所を公開する怖さ」や「家族への申し訳なさ」を感じているなら。
一歩、踏み出してみてください。
その一歩が、あなたの未来を変えてくれるかもしれません。
がんばっているあなたを、心から応援しています。
この記事を書いた人
フリーライターです。
以前は、雑貨アクセサリー製造販売会社で通販の仕事をしていました。
今はフリーランスとして働きながら、日本の良いものを越境通販で発信し、二児の母として毎日を過ごしています。
